前回、前々回と免疫力を上げるためには、質の良い睡眠、適度な運動をするとよいということをお伝えしてきました。どちらの回でも少し触れましたが、やはり食事が伴っていなければ何をしても良い効果は得られません。まず、太っていても痩せすぎていても、病気に罹るリスクは上がりやすくなります。バランスの良い食事をしていればどちらに傾くこともなく免疫力をが高い状態が保てます。

③バランスの良い食事
前回、前々回と内容が重複しますが、なぜ睡眠や運動に食事が関わってくるか?という部分です。
〇睡眠と食事
質の良い睡眠をとるのによく聞くのがメラトニンというホルモンです。メラトニンは光(朝日や照明など)を浴びると分泌量が減り、暗い夜になると分泌量が増えて睡眠へ誘ってくれます。このリズムを起こしてくれるため、質の良い睡眠が得られます。質の良い睡眠が得られることで成長ホルモンというホルモンの分泌がスムーズに行われて体を修復したり疲労をとってくれたりします。そうすることで免疫力が保たれ身体を丈夫にしてくれます。睡眠の質を上げる為の理由の一つに寝る前にスマホやPCなどを触らないようにする、というのは光やブルーライトを浴びてメラトニンの分泌量を減らさないようにする為です。

メラトニンを分泌するためにはその材料となるセロトニンが必要になります。セロトニンを分泌するためにも材料が必要で、アミノ酸の一種トリプトファンがセロトニンの材料となっています。詳しくは運動と食事の関わりを下記に書きますのでそこで深堀りしていきます。

ちなみに成長ホルモンは筋肉を作ったり、糖や脂肪の分解にも作用するのでダイエットにも欠かせないホルモンです。寝る直前に何か食べてしまうと、胃や腸が活発になり、脳や体が休まらない為ホルモン分泌も抑えられ質の良い睡眠は得られません。結果、睡眠時間を長くとっても寝不足の状態になってしまいます。その為なる前に食べるのはよくないと言われます。

睡眠と食事の関わりのごく一部のことですが、良質な睡眠をとるには食事の内容やタイミングが大事ということですね。

〇運動と食事
前回も書きましたが、まず身体を動かすには動かすためのエネルギーが必要です。エネルギーは食事からとれるのでまず食べることが始まりになります。そして、運動をすることでセロトニンの分泌を促す目的がありますが、トリプトファンが必要ということを「睡眠と食事」の部分で紹介しました。

トリプトファンは必須アミノ酸(体内では作り出せないアミノ酸9つのうちの一つ)ですので、必ず食事から摂取する必要があります。ちなみに体の修復や脂肪燃焼には欠かせない成長ホルモンも何種類ものアミノ酸から構成されます。アミノ酸がたくさん集まった物をタンパク質といいます。ですので、セロトニンにしろ成長ホルモンにしろタンパク質を食事からしっかり摂るということが大切になります。

●セロトニンの材料となるトリプトファンが多く含まれる食べ物
大豆製品・・・納豆、豆腐、豆乳、しょうゆ、味噌、
乳製品・・・チーズ、牛乳、ヨーグルト
魚類・・・かつお、まぐろ赤身、あじ
肉全般、卵など

睡眠に必要なメラトニンの材料はセロトニンですので、たどっていくと睡眠、運動、食事、全てが関わりあっていることに気付きます。特に食事の部分が抜けていると、睡眠や運動の効果を落としてしまうということがわかると思います。

ここからが本題になります。ここまでの話では特に免疫力に関わりの強い部分に特化して書いてきました。ですがホルモンも栄養素も多種多様あります。それらが均衡を取り合って始めて免疫力が上がってきます。セロトニンだけに特化した食事だけではなくいろんな栄養素をバランスよく摂ることで、セロトニンもメラトニンも成長ホルモンも上手く働くようになります。

普段からバランスの取れた食事になっいる方であれば、上記に挙げたような食材で足りなさそうなものを足せば、睡眠も運動も質の良いものもとなりますが、いつも朝は食べない、お昼はコンビニでおにぎりだけ、夜は外食でファストフード、のような食事をしていて、そこに上記に挙げたような食材を足してもほとんど意味がありません。よく乱れた食生活のまま、健康食品(サプリやスーパーフード)を足されている方が見えますが、それだとただカロリーを足しているだけになってしまっている状態で、健康食品の効果はほとんど発揮されません。それと同じです。

ではどのような食事をとればバランスが取れた食事で免疫力が上げられるかですが、食品は基本的に5大栄養素から成り立っています。タンパク質、脂質、炭水化物(糖質+食物繊維)、ビタミン、ミネラル(無機質)を5大栄養素と言います。この栄養素一つ一つ必要量摂ることがバランスの良い食事となります。ですが、何に何の栄養素がどれくらい入っているか?どれぐらいの量を食べれば良いのか?なんてわからないと思います。そこで分かりやすくしたものが「主食」「主菜」「副菜」という分類です。聞いたことがありませんでしょうか?この3つがどのような食べ物か紹介していきます。

「主食」・・・ごはん、パン、麺類➡炭水化物(糖質+食物繊維)

「主菜」・・・肉、魚介類、卵、大豆製品➡タンパク質、脂質

「副菜」・・・野菜、いも類、大豆以外の豆類、キノコ類、海藻類、種実類(アーモンド・クルミなどのいわゆるナッツ類)➡ビタミン、ミネラル、食物繊維

まずはこの3つを食事の中に必ず入れることです。そうすることで5大栄養素が摂れてきます。

とりあえず今回はここまでにして次回は「主食」「主菜」「副菜」についてもう少し踏み込んだ内容を書いていきます。

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